前回紹介した、計算や典型的な文章題ができるようになってくると、次に気になるのが「思考力」ですよね。
「中学受験を絶対にするわけじゃないけれど、将来のためにパズル的な思考力はつけてあげたい」 「分からなくて泣かれたら困るし、仕事が終わったあとに難しい問題を一から教える時間なんてない……」
思考力系の問題集は、ハマれば一気に算数脳が開花する神教材ですが、親が付きっきりで教えようとすると、お互いにイライラして家庭崩壊の危機を招きかねません(笑)。
今回は、働くママの負担を増やさずに、子どもの思考力を豊かに育てる『算数ラボ』と『きらめき算数脳』の具体的な活用法と、親がラクになる「教えない技術(あえて放置するスタンス)」についてお話しします。
💡 我が家の「小1算数ドリル」役割ロードマップ
我が家では、小1の算数教材を目的別に以下のように役割分担させていました。
- 教科書ワーク: 学校の宿題をノーミスにするための「自信付け」 (※前回の記事で紹介)
- Z会グレードアップ: 3年生以降でガクッと落ちこぼれないための「読解算数」 (※前回の記事で紹介)
- 算数ラボ: 1日10分、机に向かう習慣をつけるための「謎解きパズル」 【この記事】
- きらめき算数脳: 週末にゲーム代わりに開く、最高峰の「地頭育成」 【この記事】
前回の記事では「学校プラスアルファの応用力」についてお話ししましたが、今回は後半の2冊。仕事終わりの疲れた時間でも、親が教えずに子どもの地頭をぐんぐん育てる「ゆる活用術」を公開します。
🎯 教材①:『算数ラボ』〜間違えたら1ヶ月後に再チャレンジのループ〜
思考力問題集の決定版といえば、やはり『算数ラボ(10級)』です。良問がギュッと詰まっており、何より書き込みスペース(解答欄)が大きいので、小1の子どもでも視覚的にストレスなく取り組めます。
ただ、思考力問題は、その子の得意ほん不得意がハッキリ出ます。そのため、初めは学童に丸投げは絶対にせず、必ず「土日など、家での家庭学習」として親の目が届く場所で行いました。
※2学期以降、本人が「これなら解けそうだから解いてみたい!」と言ったときだけ、「間違えてもいいし解けなくてもいいよ」ということを大前提にして、学童にコピーして持って行かせました。
我が家の「算数ラボ」ゆるルール
- 欲張らずに、1回「4問ずつ」、もしくは「30分以内で解ける範囲」で進める。
- 読むのが得意な二人目には、問題の読み飛ばしを防ぐために「自分で音読」してから解かせる。
- 間違えたら、その場で「速攻復習」する。
- 【最重要】間違えた問題の番号を親が記録しておき、「1ヶ月後」に再度まったく同じ問題を解かせる。
忙しいママにおすすめなのが、この「1ヶ月後ループ」です。新しく教える手間を省きつつ、「忘れた頃に、自分の頭でもう一度論理を組み立て直せるか」をチェックするだけで、確実な思考力の土台を育てます。
💡 全然理解していない問題へのアプローチ 3の復習の段階で、「うーん、これは全然理解していないな……」という問題ももちろんあります。答えだけを丸暗記しても意味はないので、明らかに今の段階でレベル不足だと判断した問題は、チェックだけつけて潔く2年生に回しましょう。
🎨 教材②:『きらめき算数脳』〜高いけれど価値がある。解けなくても「あえて放置」の割り切り〜
SAPIXが出している『きらめき算数脳』は、全ページフルカラーでキャラクターも可愛く、子どもの食いつきは抜群です。市販のドリルとしては少しお値段が高め(2,000円台)なのがネックですが、それだけの価値がある「頭をめちゃくちゃ捻る問題」ばかりです。
このドリルを家庭学習に取り入れる時、忙しいママが絶対にやってはいけないのが「学校のドリルのように、順番通りに完璧に解かせようとすること」です。
忙しいママが救われる「あえて放置」のスタンス
きらめき算数脳は、掲載されている順番通りにやる必要はまったくありません。子どもの気分に合わせて、パラパラとめくって「今日これやりたい!」と言ったページをたまに解いていくスタイルで十分です。
問題には難易度ごとに「⭐(星)」がついているので、まずは「⭐1」の問題の中から、子どもが絵を見て気に入ったものを先に選ぶとスムーズに進みます。
そして、一番大切なのは、子どもが「うーん、わかんない」となった時の親の対応です。 難しいパズル問題を大人が一から教えるのは至難の業ですよね。ですから、この教材に関しては、親は解き方を教えなくて大丈夫です。
「うーん、自分でちょっと考えてみて?」と言ってしばらく見守り、それでもダメそうなら、すこーしだけヒントをあげます(特に、文章の読み間違えなどケアレスミスをしているときなど)。
それでもわからなければ、
「じゃあ、この問題はまた今度解こうか!」
と言って、そのまま笑顔で放置してください。
「今今この瞬間に解けなきゃダメ」と思わないことです。我が家でも、このドリルに関しては、「小学3、4年生くらいまでに、いつか自力で解ければいいや」というくらい長い目で見ていました。
他の問題集には制限時間をつけていましたが、きらめき算数脳に関しては「好きなだけ時間をかけて考えていいよ」ということとし、お互いに時間と心に余裕がある時に(月2回くらいの間隔で)楽しく解いていきました。
分からない問題に出会ったとき、「答えを教えてもらう」のではなく、「脳の引き出しに一回しまおいて、成長した未来の自分が解き明かす」という経験。これこそが、将来子どもが壁にぶつかったときに、自分の頭で粘り強く考え抜くための最高のメンタルを育ててくれます。
🏁 まとめ:算数の応用・思考力は「親の手出しの量」がすべて
2回にわたり、小1算数のスタートダッシュ教材についてお話ししました。
- 基礎・応用(教科書ワーク・Z会): 親の目の前で解かせて理解度100%にしてから、まとめページだけを学童に持たせる(フリーズ防止)。
- 思考力(算数ラボ・きらめき): 間違えたら1ヶ月後に再チャレンジ。解けない難問は教えずに「あえて放置」して、長い目で育てる。
仕事で時間が取れないからこそ、「家で教える時間」と「学童で自走させる時間」のメリハリをつけること。そして、難問は「あえて教えない」と割り切ること。
親が手出しの量をコントロールして一歩引くことで、子どもは潰れることなく、しっかりと自分の足で歩き始めてくれますよ。


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